ヴォーヌ・ロマネは、ブルゴーニュ信奉者の心の中では、特別に崇拝される地位にあります。
コート・ド・ニュイ地区の中心にある人口 460 人のヴォーヌ・ロマネ村は、「ロマネ・コンティ」 (Romanee-Conti) と刻まれた銘板の傍に立つ自分の姿を写真に収めようと、巡礼者の列が狭い道を昇っていくのが見られます。
その光景は、「信奉」という言葉がぴったりとあてはまり、ヴォーヌ・ロマネは、「神に愛された村」と言われ、神聖な雰囲気を纏う傑出したアペラシオンです。

ヴォーヌ・ロマネは、ヴォーヌ・ロマネ村とフラジェ・エシェゾー村に広がるアペラシオンです。
世界中に名を知られた 8 区画の Grand Cru (特級畑)、15 区画の 1er Cru (1級畑) を擁し、「圧倒的な人気を誇るワインは、優雅さと気品で輝くばかりの滑らかさを感じさせる、フィネスと力強さの結び付いたものである。」 (フランスワイン、テロワール・アトラス) と称賛されています。

とりわけ、ヴォーヌ・ロマネの8つの Grand Cru （特級畑）は、「ロマネ・コンティ」を筆頭に、世界的な名声を誇る傑出した区画であり、ワイン・ファンの誰もが憧れるワインを生み出します。
また、1er Cru (一級畑) も素晴らしいワインを生み出す区画で、格調高い芳香と優雅さを備えた長命なワインが生産されています。

ヴォーヌ・ロマネは、赤ワインの生産比率が 100% であり、赤ワインのみを生産する産地です。
ヴォーヌ・ロマネのワインは、澄んだルビー色から濃赤色、際立つ紅色を呈し、複雑で上品なアロマを纏い、タンニンや控えめな酸、豊満さが程良くバランスするエレガントなワインです。
熟成により精密なストラクチャーと滑らかさが増して真価を発揮する長期熟成向きのワインです。

「ロマネ・コンティ」 (Romanee-Conti)
DRC (Domaine de la Romanee-Conti) の単独所有畑 (モノポール)
「世界中で最も高く称賛される最も高価なワインで、それが湛えているフレーバーは想像を絶する。」
「確かに、それは宝石である。いかなるヴィンテージであれ素晴らしいワインとなれる、というのはあり得ない話だが、ロマネ・コンティはそれに最も近いところにある。」

「ラ・ターシュ」 (La Tache)
DRC (Domaine de la Romanee-Conti) の単独所有畑 (モノポール)
「それはまさにヴォーヌ・ロマネの集大成である。若い時そのワインは、きらびやかで、スパイシーであるが、その本当の個性は、もっと静謐で、骨格がしっかりとし、知性的である。」
「多くの愛好家たちが、ヴォーヌでもっとも偉大なワインであり、さらに全ブルゴーニュにおいて称賛されるべき傑出した最上のワインであると考えている。」

「リシュブール」 (Richebourg)
区画の半分を DRC (Domaine de la Romanee-Conti) が所有
「そのワインは、深奥、濃密、強烈で、それをベルベットの柔らかな長衣がくるんでいる。」
「ラズベリーのアロマを伴い、ワインは引き締まっていて、針があり、ヴォーヌ・ロマネの中では、ラ・ターシュに次ぐ偉大な Grand Cru (特級畑) と考えられている。」

「ラ・ロマネ」 (La Romanee)
リジェ・ベレール (Domaine du Comte Liger-Belair) の単独所有畑 (モノポール)
「フランス最小のアペラシオンである。リジェ・べレールの単独所有となってから、ロマネ・コンティと匹敵するほどの素晴らしいワインが造りだされることがある。」
「ブラック・チェリーのアロマを纏い、口に含むとリシュブールの引き締まった酒躯とラ・ターシュの滑らかさを一身に併せ持ち、驚くほどの調和がとれている。」

「ラ・グランド・リュ」 (La Grande Rue)
フランソワ・ラマルシュ (Domaine Francoise Lamarche) の単独所有畑 (モノポール)
「1990年代初めに Grand Cru (特級畑) の仲間入りを果たした。以前の所有者は、Grand Cru (特級畑) に格付けされることに、気が進まなかったようだ。Grand Cru (特級畑) として申し分ない土壌を有しているはずだった。1990年代後半からは、飛びぬけて素晴らしいワインを生み出している。」

「ロマネ・サン・ヴィヴァン」 (Romanee-Saint-Vivant)
「スミレのアロマを伴い、口に含むと、このワイン特有の生気といったものが感じられる。」
「名手の手になるワインは、アロマがとても豊かである。」

「グラン・エシェゾー」 (Grandes-Echezeaux)
「シャンボールの Grand Cru (特級畑) ミュジニーを思わせる繊細さとフィネスによって識別される。」
「酒質はエシェゾーよりも高く、コート・ド・ニュイ全体から見ても、極上の部類に入る。」

「エシェゾー」 (Echezeaux)
「上質な区画から生まれるエシェゾーのワインは、スミレの香りと肉厚で、しっかりした口当たりを備えている。」
「多くの自家栽培醸造家によって分割されていることから、その品質は当然均一でない。よく出来たワインは、明らかに Grand Cru (特級畑) の名にふさわしいものであるが、酒質にバラツキがある。」

ヴォーヌ・ロマネの 15 区画の 1er Cru (一級畑) では、優雅で気高いアロマを伴う長期熟成に向くワインが生産されています。
極上の区画として、「クロ・パラントゥー」 (Cross-Parantoux)、「クロ・デ・レア」(Clos des Reas) が挙げられます。

「クロ・パラントゥー」 (Cross-Parantoux)
エマニュエル・ルジェ (Domaine Emmanuel Rouger) の単独所有畑 (モノポール)
「アンリ・ジャイエは、一人で 1 ha の雑木の生い茂った岩の多い野菜畑を整地し、ぶどう樹を植えた。現在、その畑から生まれるワインは、ヴォーヌでも最も高く評価される。」 「繊細さと力強さを兼ね備えた赤だが、リシュブールに匹敵する酒質のワインである。」

「クロ・デ・レア」 (Clos des Reas)
ミッシェル・グロ (Domaine Michel Gros) の単独所有畑 (モノポール)
「若い時はオークが目立つが、10年を過ぎるころから、愛らしく精妙な、程よい重さのワインとなる。」

他の 1er Cru (一級畑) では、「レ・ボー・モン」 (Les Beaux Monts)、「オー・ブリュレ」(Aux Burlees)、「レ・シュショ」 (Les Suchots)、「オー・マルコンソール」 (Aux Malconsorts)、「レ・プティ・モン」 (Les Petits Monts)、「オー・レイニョ」 (Aux Reignots)、「レ・ショーム」 (Les Chaumes) などが素晴らしい区画に挙げられます。