2024 年ヴィンテージについて
2024 年ヴィンテージについては、欧州を中心にぶどうの収穫量とワイン生産量が減少する見通しと報道されています。例えば、フランス全体で、ワインの生産量は、前年比 23 ％ 減少と言うレポートをフランス農業・食料省が 2024 年 11 月 8 日に発表しています。天候が極端な年であり、「今年は天候不順が特徴で、ほとんどの産地で開花から収穫まで降雨があり、病害が発生して生産量が減少した。さらに、春の霜、夏の白かび病、ひょうによる損失もあった。」 (フランス農業・食料省) と発表されています。雹、ベド病、結実不良などが多かったのは、フランスのみではなく、欧州全体のワイン産地が天候不順による影響があったと伝えられています。
一方、近年は、高温によって糖度が上がり、酸が減ってしまうことが多かったものの、2024 年ヴィンテージは、降雨量が多く、天候が不順だったため作柄は良くないものの、久しぶりに酸を感じるクラシックなスタイルのぶどうが出来る傾向があるというレポートがあります。
ブルゴーニュ
ブルゴーニュの収穫量は、前年比 25 % 減少になるだろうと、フランス農業・食料省がレポートしています。3 月下旬に芽吹きが始まるも、4 月中旬から気温が低下し、霜害が発生しました。5 月 1 日には嵐によってシャブリ地区に雹が降って大きな影響を与え、その後、8 月までブルゴーニュの各地で、雹害が発生しています。ぶどうの生育期において、晴天と激しい雨嵐が交互に繰り返され、その結果、結実不良が増え、ぶどうの収穫量が減少しています。
ボルドー
ボルドーの収穫量は、前年比 10 % 減少するだろうと、フランス農業・食料省がレポートしています。ワイン需要の減少を踏まえ、ボルドーは、8,000 ha のぶどう畑を削減していました。ブルゴーニュ同様に、ベド病の流行や雹害、天候不順による結実不良がみられましたが、被害はそれほど大きくなく、ボルドーの収穫量の減少は、10 % 程度にとどまりました。
シャンパーニュ
シャンパーニュの収穫量は、前年比 46 % の大幅減少と、フランス農業・食料省がレポートしています。春先に霜害が発生し、その後、ひどい雹嵐が地域を襲いました。冬は温暖で雨が多かったものの、春から夏にかけて気温が低く、気温が高い日が続いたと思うと、暴風雨がやってくるという不安定な気候が続きました。
フランス以外の地域
フランス以外の地域についても、フランスと同様な傾向にあるようです。例えば、イタリアのトスカーナについて、天気が 2023 年ほど良くはなく、雨が多かったため、フランス同様に、適度な酸を持つワインが生産され、クラシックなスタイルのワインが生まれるだろうと言われています。
一方、米国のカリフォルニアやオーストラリアは、天候に恵まれて収穫量が多く、極端な熱波や山火事が無かった為、品質も優れていると伝えられています。
