コート・ドールで 2 番目の広さがあるぶどう畑
ジュヴレ・シャンベルタンのぶどう畑は、総面積が 540 ha であり、ブルゴーニュのコート・ドールでは、ムルソーに次ぐ 2 番目の広さを持つアペラシオンです。また、ジュヴレ・シャンベルタンの町は、3,000 人以上が住み、コート・ドールの基準に照らすと、かなり大きな町になっています。
ジュヴレ・シャンベルタンの町は、3 地区に分かれています。国道 D 974 沿いの住宅地や商店・ドメーヌが密集している地区、それよりも高台にある村役場と商店やカフェっが集まっている地区、さらに高台の、13 世紀に建設された教会と、かつてジュヴレ・シャンベルタン村の中心的な建物であったシャトー・ド・ジュヴレの周りある古い住宅が密集している地区です。
ぶどう畑は、地形が決め手となって、格付けが行われていて、割と整然としています。コンブ・ラヴォー渓谷の谷と村落の北側に、26 区画あるプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) の大半があり、村落の南側に、9 つあるグラン・クリュ (Grand Cru, 特級畑) の区画と幾つかの衛星的なプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) の区画があります。
土壌の構成
グラン・クリュ (Grand Cru, 特級畑) とプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) のぶどう畑は、岩盤が石灰岩であり、その上に、石灰岩に由来する泥灰土に鉄分の多い赤い沖積土があって、赤い色の粘土となっています。ジュヴレ・シャンベルタンの赤い色の粘土は、鉄分を多く含むため、生産されるワインもやや血のような味がすると表現されることがあります。シャンベルタンを愛飲していたナポレオンも「血の味がする」と言ったことがあったと伝えらえています。
村名格付け及び広域格付けのぶどう畑は、グラン・クリュ (Grand Cru, 特級畑) やプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) のぶどう畑よりも東の沖積平野に近い斜面に広がっています。グラン・クリュ (Grand Cru, 特級畑) やプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) のぶどう畑と同様に赤い色の土ですが、石灰岩の岩盤が深いところにあるため、ぶどう樹の根が岩盤層に到達するのが難しいと言われています。
ぶどう畑の分布
ジュヴレ・シャンベルタン集落の背後には、アペラシオンに大きな影響を与えているコンブ・ド・ラヴォー渓谷が広がっています。コンブ・ド・ラヴォー渓谷を境に、ジュヴレ・シャンベルタンのアペラシオンは、北部・扇状地・南部に分類できます。
ジュヴレ・シャンベルタン北部には、クロ・サン・ジャックなどアペラシオンを代表するプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) が軒を連ね、扇状地では、村名アペラシオンを中心に広がり、南部では 9 つ全てのグラン・クリュ (Grand Cru, 特級畑) が広がっています。
ジュヴレ・シャンベルタン北部
ジュヴレ・シャンベルタンの北部にあるプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) は、南部にあるグラン・クリュ (Grand Cru, 特級畑) よりも標高が高く、標高 290 ~ 350 m に位置しています。コンブ・ド・ラヴォー渓谷から冷風が吹き抜けるため、気候はやや冷涼となっています。レ・カスティエの区画から谷寄りでは、斜面が真南を向いていて、夏の日中は、気温も上がり日照量も充分となっています。
北部プルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) の中で最も名高く、ジュヴレ・シャンベルタンのプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) において、最高評価を得ているクロ・サン・ジャックは、コンブ・ド・ラヴォー渓谷に近く、常に冷たい風が吹き付けることから、ぶどう畑を冷風から守る 2 m の壁で囲んでおり、素晴らしいワインが生み出されています。
コンブ・ド・ラヴォー渓谷開口部の扇状地
コンブ・ド・ラヴォー渓谷開口部の扇状地には、主に村名格付けのぶどう畑が広がっています。一部の区画は、シャンポネやクレピヨといったプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) のぶどう畑になっています。ジュヴレ・シャンベルタンのコンブ・ド・ラボー渓谷の開口部は大きく開けています。生産されるワインは、北部や南部の区画からのものに比べると、砂利の比率が高い土壌の為、軽くなる傾向があるものの良くできたワインになっています。ただし、プルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) に指定されているシャンポネとクレピヨは、生産量が少なく市場であまり見かけないものの、厚い鉄分を多く含む粘土質の土壌が広がり、硬く力強いワインが生み出されます。
ジュヴレ・シャンベルタン南部
ジュヴレ・シャンベルタン南部は、標高 240 ~ 310 m にぶどう畑が広がり、標高 260 ~ 300 m の斜面中腹がグラン・クリュ (Grand Cru, 特級畑) に指定されています。斜面は比較的緩やかで東向きが多く、モレ・サン・ドニ近くでは南向きになっています。シャンベルタンとシャンベルタン・クロ・ド・ベーズを頂点とするグラン・クリュ (Grand Cru, 特級畑) の区画からは、もちろん、何れも特別な次元というべき傑出したワインが生み出されており、プルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) も香り高く肉厚、上質で魅力的なワインが生み出されています。