ドイツのワインは、1971 年に制定された、ドイツ・ワイン法によって、格付け制度が定められています。ドイツのワインは、4 段階の格付けに分かれています。EU ワイン法における AOP (原産地呼称保護) 格付けに該当するワインは、上位 2 格付けであるプレディカーツヴァイン (Pradikatswein) とクヴァリテーツヴァイン (Qualitatswein) に該当し、ドイツで生産されるワインの 98 % が対象となっています。
プレディカーツヴァイン (Pradikatswein)
収穫時において、ぶどうの糖度が、各格付けの中で最も高い 70 エクスレ以上のぶどうから造られる最高級とされるワイン。ぶどう果実への補糖は一切禁止されています。ドイツにある 13 の指定栽培地域で生産されるぶどうを用いることが要請されます。
クヴァリテーツヴァイン (Qualitatswein)
収穫時において、ぶどうの糖度が、51 ~ 72 エクスレであることが求められるワインです。ドイツにある 13 の指定栽培地域で生産されるぶどうを用いることが要請されていますが、プレディカーツヴァインと異なり、補糖が認められています。
ラントヴァイン (Landwein)
ドイツ国内にて、26 の生産地域があり、各産地の特徴を反映しているとされるワイン。収穫時におけるぶどうの糖度は、47 ~ 55 エクスレであることが求められ、補糖が認められています。
ドイチャーヴァイン (Deutscher Wein)
一番下の等級にあたるテーブル・ワイン。ぶどうの糖度は、44 ~ 50 エクスレが求められます。
プレディカーツヴァインの分類
最上級格付けのプレディカーツヴァインは、「カヴィネット」「シュペトレーゼ」「アウスレーゼ」「ベーレンアウスレーゼ」「トロッケンベーレンアウスレーゼ」「アイスヴァイン」に分けられます。
カヴィネット (Kabinett)
収穫時におけるぶどうの糖度は、70 ~ 85 エクスレが要請されます。エレガントで繊細な仕上がりの辛口ワインであり、食中酒として用いられます。
シュペトレーゼ (Spatlese)
完熟した遅摘みのぶどうのみを用いて造られるワインであり、収穫時におけるぶどうの糖度は、80 ~ 95 エクスレが要請されます。やや甘口から甘口で、アルコール度数が 8 ~ 10 % のワインが多いです。瓶詰めから 1 ~ 2 年で魅惑的な味わいが備わり、収穫後 10 年は味わいが変わらないと言われています。適切なバランスと凝縮感あるワインであれば、20 年以上の熟成が可能です。ミネラルの風味が強いワインは、実際よりも辛口に感じることが多く、中には、アルコール度数が高めで、辛口からやや辛口に仕上っている最高品質のシュペトレーゼも見られます。
アウスレーゼ (Auslese)
とりわけよく完熟したぶどうや貴腐菌の付着したぶどうを用いて造られるワインであり、収穫時におけるぶどうの糖度は、88 ~ 105 エクスレが要請されます。シュペトレーゼよりも味・香りの奥行きが深く、甘口で強さを備え、デザートワインなどとして、ワイン単独で楽しむことが出来ます。
ベーレンアウスレーゼ (Beerenauslese)
貴腐菌の付着したぶどう、或いは、過熟したぶどうから造られる高い凝縮感と強さを備えた高貴な甘口ワインであり、収穫時におけるぶどうの糖度は、110 ~ 128 エクスレが要請されます。多くの生産者において、最高級のワインと位置付けられています。
トロケッケンベーレンアウスレーゼ (Trockenbeerenauslese)
単にしなびた過熟ぶどうの場合もありますが、主に貴腐菌の作用によって、しなびた状態になったぶどうを用いて造られる極上の甘口ワイン。収穫時におけるぶどうの糖度は、150 エクスレ以上と、非常に高い糖度を要請され、生産量が非常に少ない稀少なワイン。天然のリキュールと例えられるような味わいを持ち、世界で最も繊細で軽やかな甘口ワインと言われています。ボルドーの「ソーテルヌ」、ハンガリーの「トカイ」と共に、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は、世界三大貴腐ワインのひとつに数えられています。
アイスヴァイン (Eiswein)
ぶどう果実の収穫と圧搾の段階で、凍ったぶどうを用いて造られるワインです。水と果汁の氷点が異なることから、ぶどう果実に含まれる水分が氷となって除去されることによって得られる糖度の高い凝縮した果汁を用いてワインを造ります。収穫時におけるぶどうの糖度は、110 ~ 128 エクスレが要請されます。外気温が -7 ℃以下となり、通常、年明けになって収穫されますが、年によっては、十分に気温が下がらない、ぶどう果実が凍結する前に、樹上で腐敗してしまうこともあることから、凍結した糖度の高いぶどう果実を収穫できず、アイスヴァインが生産できない年も発生します。そのため、非常に稀少価値の高いワインとなっています。