シャンパーニュにおけるキュヴェ (Cuvee) とタイユ (Taille)

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キュヴェ (Cuvee) は、円形を示すキューブ (Cube) を語源とし、元々は、発酵槽や醸造槽を意味する言葉と言われています。現在、キュヴェは、複数の意味があり、「発酵槽や醸造槽にあるワイン」「特別に区別されているワイン」「特別な製法や区画のワイン」、シャンパーニュにおいては、「圧搾 3 回目までに得られるぶどう果実の搾汁」の意味ががあります。

キュヴェとタイユについて

シャンパーニュの規定では、4,000 kg のぶどうから、2,050 L のキュヴェを取り出すことが認められています。キュヴェを取り出した後で、タイユ (Taille) と呼ばれる 500 L の搾汁を行うことが認められています。

ぶどうは全房のまま、できるだけすばやく、そして優しく圧搾されることになります。圧搾の最初の過程で出てくる、明るく、透明で、自然に流れ出る搾汁はキュヴェと言われます。はじめの連続して 3 回までの圧搾による搾汁がキュヴェと言われています。そして、キュヴェを抽出した後で、出てくる搾汁をタイユと呼びます。

キュヴェが明るく透明な果汁なのに対して、タイユは、果皮に含まれる不純物によって、徐々に色が黒くなります。透明なキュヴェと不透明なタイユを分離して取り出すのは、ぶどうの自然なままの新鮮さと、弾けるような活力を引き出す為です。シャンパーニュの圧搾作業は、単純な圧搾よりも遥かに熟練した技術が要求されると言われています。

キュヴェの抽出方法

キュヴェは、3 回の連続した圧搾によって、抽出されますが、その中でも最上のキュヴェは、クール・ド・ラ・キュヴェ (Coeur de la Cuvee)、すなわち、「キュヴェの心臓」と呼ばれ、連続した 3 回の圧搾の内、真ん中で抽出される部分で、ワインに純粋さと骨格の理想的なバランスをもたらします。

かつて、連続圧搾作業は、キュヴェのバランスを維持するために、最も熟練した造り手が、手作業で圧搾されたぶどうの搾りかすの端をスコップですくい中央に戻すレトゥルーセと言われる作業を必要としていました。シャンパーニュで最も重要な作業の一つと言われていたレトゥルーセは、その後、劇的に進化させた輝かしく革新的な新技術が開発されることになります。

それは、現代圧搾機のロールスロイス呼ばれる通称「コカール・プレス」と呼ばれ、PAI (Pressoir Automanique a pleteau incline) と言う機械です。コカール (Coquard) 社が製造しているプレス機であり、圧搾されたぶどうケーキを傾斜角によって中央に戻すものであり、手作業によるレトゥルーセを不要にしました。

かつては、摘果の日を丸一日費やして行われたレトゥルーセの作業は、コカール・プレスを用いることで、3 時間で済むようになり、エネルギー使用量も大幅に削減できるようになりました。伝統的な醸造家の中には、高額なコカール・プレスに反発し、昔からの垂直式圧搾機と手作業によるレトゥルーセに固執する醸造家がいますが、おそらく、それは、理屈と言うよりは、愛着によるものと思われます。

現在では、更に技術が進歩し、シャンパーニュ地方の多くの生産者は、伝統的なコカール・プレスでもなく、現代的な空気圧搾機を導入しています。

タイユの抽出方法

キュヴェが抽出された後、段階的に圧力が高められます。2 ~ 3 回圧搾が繰り返され、タイユが抽出されます。1992 年から厳格な品質管理が導入され、4,000 kg のぶどう果実から、500 L のタイユを抽出する規制による制限が導入されています。タイユの糖分濃度は、キュヴェと同じですが、すべての偉大な白ワインの骨格を形成するリンゴ酸と酒石酸の濃度は低くなります。一方で、キュヴェよりも多くの酸化物・鉱物質・色素・その他の植物性の要素を含んでいます。

一番目のタイユは、シャンパーニュのハウスによって割合が決まっていて、いくつかのシンプルなアロマを持っていて、早く熟成し、果実味が強く、魅惑的なワインが出来ます。シャンパーニュのシェフ・ド・カーヴ (醸造長) は、ブレンドの種類によって、キュヴェとタイユを様々な比率で使い分け、シェフ・ド・カーヴが理想とするシャンパーニュを造り上げていきます。

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