シャンパーニュにおけるぶどう畑の 38 ~ 39 % は、ピノ・ノワールで占められています。「黒からの白」という意味を持つブラン・ド・ノワールの原料として、ピノ・ムニエと共に用いられ、シャンパーニュに、華やかさ、香り、味わい深さをもたらします。
主にモンターニュ・ド・ランスのチョーク質にある特級畑に植えられ、壮大な骨格を持つバランスの取れた力強いワインを生み出しています。モンターニュ・ド・ランスの中でも最上のぶどう畑は、ヴェルズネイやヴェルジィからトレパイユを経てブジーやアンボネイに下る北東の斜面と言われています。この地区は、エペルネの南に位置するコート・デ・ブランが、黄金色のシャルドネにとって理想の地であるのと同じくらい、豊潤なピノ・ノワールにとって理想の地と言われています。
ヴェルズネイやヴェルジィからトレパイユを経てブジーやアンボネイに下る北東の斜面は、ほとんどがグラン・クリュで占められており、これらのグラン・クリュは、すべて、ファレーズ・ド・シャンパーニュ、すなわち、「シャンパーニュの断崖」と言われる、東向きの純粋なべレムナイト・チョーク質が露出した白い岩肌の上に広がっています。
ピノ・ノワールは、シャンパーニュ、とりわけモンターニュ・ド・ランスにおいて、シャンパーニュの味わいを決定づける偉大な黒ぶどう品種です。収穫して、摘果したばかりの果粒の状態で、優しくプレスして果皮から果汁を分離させることで果汁を取り出し、流れ出すほとんど無色透明な澄んだ果汁をシャンパーニュ造りに用います。
モンターニュ・ド・ランスの西部に位置するプティ・モンターニュ地区では、砂岩の成分がそのワインを、より親しみやすい、しなやかなものにしています。
また、ピノ・ノワールは、シャンパーニュ南部のオーブ県の主要品種であり、その泥灰土地区の 4/5 を占め、明るい果実味たっぷりのワインを生み出しています。