ジュヴレ・シャンベルタンのプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) は、ジュヴレ・シャンベルタン北部、ラヴォー渓谷の扇状地部分、ジュヴレ・シャンベルタン南部に分かれ、それぞれの特徴のあるワインを生み出しています。その内、ジュヴレ・シャンベルタン北部のプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) を紹介します。
ジュヴレ・シャンベルタン北部
ジュヴレ・シャンベルタン北部においては、ラヴォー渓谷に面した南向きのぶどう畑、ラヴォー渓谷の開口部に近いぶどう畑、ラヴォー渓谷から北に離れた東向きのぶどう畑がプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) に指定されています。
ラヴォー渓谷に面した南向きのぶどう畑
ラヴォー渓谷の南向きぶどう畑は、ボシエール (Bossiere)、ラ・ロマネ (La Romanee)、ヴァロワイユ (Varoilles)、ポワスノ (Poissenot) の区画がプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) に指定されています。これらの区画は、丘の頂にある森林によって保護されているものの、ラヴォー渓谷を吹き抜ける冷気に見舞われるため、しっかりと成熟したヴィンテージを探すことが重要と言われています。しかしながら、4 つの区画すべてがモノポール (Monopole, 単独所有畑) であり、ヴァロワイユをはじめ優れた生産者が所有していることから、「骨格がしっかりし、素晴らしいフィネスあるワインが生産されている」 (フランス・ワイン、テロワール・アトラス) と言われ、非常に高く評価されています。
ラヴォー渓谷開口部に近いぶどう畑
ラヴォー渓谷の開口部に近いぶどう畑は、ラヴォー・サン・ジャック (Lavaut Saint-Jacques)、エトゥルネル・サン・ジャック (Estournelles Saint-Jacques)、クロ・サン・ジャック (Clos Saint-Jacques) の区画がプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) に指定されています。ラヴォー・サン・ジャック、エトゥルネル・サン・ジャックとも日照に優れるが、かなり冷涼です。3 つのサン・ジャックという名前が付くプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) は、長期熟成に耐え得る何れも素晴らしいワインを生み出すことで知られています。3 つのサン・ジャックの内、とりわけクロ・サン・ジャックは、常に吹き付ける冷涼な風をぶどう畑を囲っている高さ 2 m の壁で防ぎ、また、ぶどう畑がラヴォー渓谷に面した南向きではなく、東向きになっていることから、常に非常に高い品質のぶどうが収穫でき、グラン・クリュ (Grand Cru, 特級畑) に比肩する素晴らしいワインと言われ、高い名声を誇っています。
ラヴォー渓谷から北に離れた東向きのぶどう畑
ラヴォー渓谷から北に離れた東向きのぶどう畑において、カズティエ (Cazetieres)、プティ・カズティエ (Petits Cazetieres)、コンブ・オー・モワーヌ (Combe au Moine)、シャンポー (Champeaux)、レ・グーロ (Goulots) がプルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) に指定されています。ラヴォー渓谷から離れていて、渓谷を吹き抜ける冷涼な風の影響が少なく、日照に優れていることから、長く熟成できる優れたワインが生み出され、評価の高いワインが多い地区です。特に、カズティエは、プルミエ・クリュ (1er Cru, 一級畑) のなかでもとりわけ評価の高いクロ・サン・ジャックに近い評価を得ている名高い区画です。
